作品が生まれた背景
 この作品が生まれたのは、西暦2000年6月のことでした。
 一場面が、突如「夢」として出現したのです。
普段見ないぐらい長い夢として現れたその世界に、私はすっかり魅了されてしまいました。
目が覚めた後、「面白い夢だったから、続きが見たい!」そう思って再び眠りについたところ──
なんと「続きを見ることが出来た」のです。

それ以来、私は眠るのが「楽しみ」になってしまいました。眠る前に必ず「あの夢の続きを見たい」そう唱えてから寝るのが習慣となったのです。

ところが──。

夢は、「夜、寝ているだけ」に治まらなくなってしまいました。目覚めてからも、まるで「テレビがつけっぱなしになっている」かのように、脳内でずっと再生され続けたのです。
イメージとしては、「2画面楽しめるテレビ」みたいなものでしょうか。半分は私がリアルに体験している現実世界、もう半分がその夢の続き。

最初は楽しんでいた私ですが、その状況がだんだん「苦痛」になってしまいました。
自分で意志して、夢を止めることが出来ないのです。
停止ボタンを押そうにも、全く押しようがないのです。
夜眠れば、昼間見ていた続きから始まったり、或いはサイドストーリー的な話を見たり。

私は「頭がおかしくなったんだ」と、真剣に悩みました。
当時友人だった複数の人達に「私は精神的に病んでしまったかもしれない」と現状を相談しているので、覚えている人達もいることでしょう。

そして、私は「諦める」ことにしました。
「物語が終われば、この白昼夢もきっと終わることだろう」
そう決意し、むしろその夢に集中して「早回し」して終わらせようぐらいの意識でいました。
そのおかげで、白昼夢が始まってから約2ヶ月後の8月。
ようやく、物語が終結しました。

「ああ、良かった! これで解放される!」
そう思った矢先──。

──なんと。
また「最初から」再生されてしまったのです……。
同じ展開、同じストーリー、同じ登場人物で──。

私は「発想の転換」をしなければならない事態となりました。
「これは、頭の中にある限り『永遠に』繰り返されるのではないか? それなら、実際に文章として吐き出したらどうだろう? 形になることで、脳内から排出されるのではないか?」

こうして生まれたのが、この作品──beAliveです。

夢として出現している間、この作品に名などありませんでした。
でも、この作品に相応しいテーマがあるとしたら……まさしく「生きる」ということ、そのものではないかと私は思ったのです。
物語に出てくる登場人物達は、みなそれぞれ、自分達の価値観の中で「生きる道」を模索していきます。時には自らの価値観の為に誰かを犠牲にし、でもその分誰かを救ったり、人や社会、時代の中で切磋琢磨しながら生きていくこと──それそのものが、この作品のテーマではないか、そう私は感じました。

この作品が私の脳内に出現してから、はや16年。
2001年10月から2009年まではネット公開していましたが、一度それを取り下げ、今回は「改稿版」として全面書き直ししたものを公開しております。
私の脳内に突如「メッセージ」のように降ってきた内容とは、多少異なる側面もありますが、「降ってきた原石」に対して、私が磨きをかけて加工したのが「今回の改稿版」と言うことが出来るでしょう。

前作を読んで下さった読者の方からすると、登場人物が半数以下になっていること、および、出逢いの章が変わっていることに違和感を覚える方もいるかとは思いますが、全体的なテーマやキャラクターの個性は何も変わっておりませんので、新しく生まれ変わったbeAliveをお楽しみ頂けますと作者冥利につきる次第です。

篠崎由羅

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